富士山は初心者向けの山。でも遭難・死者は毎年ある。

「富士山をなめちゃいかん。」富士山での遭難で、命を落とす人は毎年あります。
富士山遭難の特徴は「若者」の遭難です。山岳遭難では、「行方不明」が多いのですが、
富士山はオールナイトで大勢が登っているので行方不明はほとんど起こりません。

私が経験したのは、2回目の山開き準備の時でしたが、その山小屋から上方に人が数人確認できましたので、
双眼鏡で覗くと、遺体が雪解けで見えるようになったので搬出しているところでした。山小屋のご亭主によると、
前年の秋に自転車を担いで登った青年が遭難し、雪に閉ざされ、雪解けを待っての遺体搬出だそうでした。

富士山は五合目、新五合目まで自動車で行けます。ほとんどの人はそこが「登山口」と考えるのですが、
その場所はすでに富士山の3分の2を登っている状態です。あと、3分の1を徒歩で登れば山頂です。
ですから、八合目、九合目といっても、8割、9割自力で登り終えたと思うのは誤りです。登山の半分ほどにしか過ぎないのです。
五合目には駐車場が完備されています。ここまで自動車で登ってお気づきの方も多いことですが、
「ディーゼルエンジン」が非常に弱くなります。
レンタカーのバンやトラックでの場合は…

「この程度の坂道なのにローでやっと登る。」とか
「錯覚で実は勾配が強い」とか思うでしょう。これは、気圧が低いため混合燃料が効率よく爆発しないためです。
ガソリンエンジンにはあまり影響しません。また、登山中、休憩の時にタバコを喫むことがりますが、
オイルライターの点火が悪いです。山頂では使えないと考えていいでしょう。

気圧が低いことは当然です。山頂の空気は70%に薄まっています。ここでは水は87℃で沸騰します。
通常の気象は八合目辺りで終わりですから、夏の山頂は、ほとんど毎日晴れです。直射日光は遮るものがないので強力です。
気温が6℃までしか上がらないので油断するのですが、海岸での日光浴以上のパワーで日焼けします。
登山中の疲労は休憩し回復したら再開できるのですが、通常の疲労感ではない苦しさがあれば、
それは高山病と呼ばれる生理現象です。酸素吸入なしでは絶対に回復できません。
この状態になる人は、それ以上の登山は諦めて下山してください。苦しさが増すだけです。
各山小屋には携帯酸素ボンベが販売されています。下山中に回復を望むのであれば、これお一本求めれば、
頭痛は取れて駐車場へ戻れるでしょう。稀ではなく頻繁に、駐車場(五合目)ですでに頭痛がある人もいらっしゃいます。
高山病は個人差が大きいですが、「病気」ではありません。単なる生理現象です。

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